「作法のためのリマインダ」 のための 覚書

会場図面
sweep 作法のためのリマインダ

ステートメント

Statement


「覚え書き(リマインダ)」


「削る」

ものごとの表面を奪うことで見えてくることがあり、それは「研ぐ」ことや「剥ぐ」ことにも形を変える、ということ。名も知らぬ誰かが塗った釉薬などの表面のほどこしの中に隠されたものを見る方法。

少しずつヤスリで表面を奪っていきながらそのものを見つめる、という方法があること。


「描く」

人がなぜ「描く」のかを考える、その方法さえもまた「描く」でありえる、ということ。色の粉である 顔料を糊材と一緒に練ることからはじめ、筆を用いて描く。その営みを観察対象として再度新しい絵画を立 ち上げること。「描き」という一瞬の痕跡を見つめ、残していく方法として絵画がある、ということ。


「読む」

ものごとを見て、そのものごとが持っている情報を受け取ること。そこから次に何ができるか、考える 方法。「本」というものの成り立ちを、紙を触って人とやりとりをしながら体験すること。「読む」とい うことを通して他の人の考えや感じ方や思い浮かべ方を追体験すること。


「住む」

その場所に「住む」ということ。「住む」ことで見えて来る見方。ひとところに「住む」という愛着が あり、動くことがその愛着を飛び越えることがあるということ。私たちが住んでいる「家」とか「土地」 というのは、もともとは誰のものでもなくて、動物や虫はそれを知っている、ということ。


かんたんな動作が、どこまでも考えるための方法になるということ。工夫をすることで成り立つ「作り方」 があるということ。これまで生きてきた人たちは、「作る」ことで何かを残し、わたしたちはそれを受け 取り、継いでいくことができる、ということ。また、「作る」ということ自体が、それぞれのいろいろな 事情を飛び越えて話すことができるフィールドであるということ。 それをあらわす「所作」という言葉があること。


(展覧会 配布テキストより)

開催概要

Outline


本展は2015年に行われた「奈良・町家の芸術祭 はならぁと 2015」の4つのメイン会場「こあ」の一つ、橿原市今井町エリアのメイン展示として開催されました。


2014年10月24日(土)〜11月3日(火・祝)

10:00-17:00 (10月24日・30日・31日はナイトビューイングにつき19:00まで)

宮田篤「微分帖(びぶんちょう)」ワークショップ、村上慧による持ち寄り鍋を随時開催


会場:橿原市今井町「中野町家」、「元トウネ精米工場」